2024.06.27

アルミの基礎知識|特徴や合金の種類をわかりやすく解説

 
アルミニウムは私たちの日常生活や産業に欠かせない金属のひとつです。軽さや耐食性に優れ、1円硬貨やアルミ缶、アルミ箔など、さまざまな製品に利用されていますが、実はこれらの製品の多くはアルミニウム合金で作られています。
今回は、アルミニウムの基本的な性質や特性、さらにアルミニウム合金の種類について詳しく解説します。
 
アルミニウムとは?基本の知識
アルミニウムは、ボーキサイトという鉱石から製錬される金属です。ボーキサイトから酸化アルミニウムを取り出し、電気分解によってアルミニウムを生成します。その後、圧延や鋳造などの加工を経て、私たちの生活に必要な形状に加工されます。
アルミニウムが金属として利用され始めたのは19世紀以降と比較的最近のことで、他の金属と比べると歴史は浅いものの、現在では多くの分野で活用されています。
 
アルミニウムの主な特徴
1. 軽さ(比重が小さい)
アルミニウムの比重は2.7で、鉄(7.8)や銅(8.9)と比べて約3分の1です。
その軽量性から、自動車や航空機の部品、鉄道車両などに採用され、燃費の向上や動作効率の向上に貢献しています。
 
2. 優れた耐食性
空気中で自然に形成される酸化皮膜が、アルミニウムを腐食から保護します。
この性質により、建築資材や海洋開発機器、車両部品など、耐久性が求められる用途で広く活用されています。
 
3. 熱伝導率が高い
アルミニウムは熱を伝えやすく、鉄の約3倍の熱伝導率を持ちます。
この特性を活かし、エンジン部品、放熱フィン、冷暖房装置、ヒートシンクなどに使われています。
 
4. リサイクル性が高い
アルミニウムは、品質を損なうことなく簡単に再利用できる金属です。
そのため、省エネルギーや環境負荷低減の観点からも注目されています。
 
アルミニウム合金の種類と特徴
アルミニウムに他の金属を加えて強度や加工性を高めたものがアルミニウム合金です。
この合金は、含まれる成分によって以下のように分類されます。
 
1. 1000番台|純アルミニウム
•特徴: 純度99%以上のアルミニウムで、耐食性や熱伝導性に優れますが、強度は低めです。
•用途: 家庭用器具、反射板、照明器具、1円硬貨など。
 
2. 2000番台|アルミニウム+銅
•特徴: 銅を加えることで強度が大幅に向上。耐食性はやや劣ります。
•用途: 航空機部品、ねじ・ギア、自動車部品など。
 
3. 5000番台|アルミニウム+マグネシウム
•特徴: 非熱処理型の中で最も高い強度を持ち、耐食性や加工性にも優れています。
•用途: 燃料タンク、調理器具、船舶用材など。
 
4. 7000番台|アルミニウム+亜鉛+マグネシウム
•特徴: 熱処理を施すことで非常に高い強度を実現。
航空宇宙分野でも利用されています。
•用途: 航空機材、スポーツ用具、自転車フレームなど。
 
アルミニウムの加工と用途の可能性
アルミニウムは、その特性を活かしたさまざまな加工方法が可能です。
例えば、旋盤加工やフライス加工、さらに表面処理としてアルマイト処理や塗装加工を施すことで、耐久性や美観を向上させることもできます。
 
弊社では、A5056やA6061などのアルミ加工実績を持ち、お客様のご要望に合わせた精密加工を得意としています。
これらの加工は、自動車部品や建築用サッシ、電子機器部品など、さまざまな分野で採用されています。
 
まとめ
アルミニウムは、軽量性や耐食性、熱伝導性など、さまざまな優れた特性を持つ金属です。さらに、アルミニウム合金として加工することで、その特性をより引き出すことが可能です。
弊社では、アルミニウムおよびその合金の特性を最大限に活用し、お客様の課題を解決する高品質な加工を提供しております。
 
アルミ加工に関するご相談やお見積もりの依頼は、京都機械商事へお気軽にお問い合わせください。
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