2024.01.16

旋盤加工とは?使用される機械や加工の種類について京都機械商事より解説

 

旋盤加工は、さまざまな材料に対して高精度な加工を施すことができる工作機械技術の一つです。

機械加工の中でも代表的な加工である旋盤加工とは何か、使用される機械、加工の種類についてご紹介していきます。

 

旋盤加工とは

旋盤加工とは、材料を回転させ工具を当てて切削する加工方法のこと。

加工する材料そのものを回転させ、工具を材料に当てて加工します。

そのため、完成した材料は円盤状・筒状・リング状といった丸型の形になります。

また丸物を作るだけでなく、溝を掘ったり穴をあけたりする加工も可能です。

 

旋盤加工とフライス加工の違い

旋盤加工と似た加工方法に、フライス加工があります。二つの違いは「材料と刃物のどちらを回転させるか」という点にあります。旋盤加工は、加工する材料を回転させる「旋削加工」です。フライス加工は、刃物を回転させる「転削加工」にあたります。

以下の場合は刃物を回転させて加工するのが難しいため、フライス加工よりも旋盤加工のほうが適しています。

  • 外周が円柱状のもの
  • 中央に深い穴を開ける必要があるもの
  • 大きな穴を開ける必要があるもの(径の大きいネジ穴など)
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旋盤加工で使用される機械

旋盤加工で使用する機械には、材料の大きさや加工方法によって様々な種類があり、加工する箇所の角度や深さ、幅を変えることでより複雑な加工もできます。こちらでは旋盤加工で使用される機械の一部についてご紹介していきます。

 

汎用旋盤

汎用旋盤は基本的な旋盤の一つです。一般的に「旋盤」と呼ばれるものは、汎用旋盤を指します。「普通旋盤」とも呼ばれています。汎用旋盤は作業者が手動操作で工具の角度や速度を調整するため、複雑な形状なものや、細かい調整が必要なものの加工に使われます。また、多品種少量や試作に適している。

 

NC旋盤

NC旋盤は、手動で操作する一般的な旋盤に数値制御装置(NC装置)を組み込んだ工作機械です。加工の条件を事前にプログラム化し、0.01mm以下の誤差精度を保ちつつ、読み込まれたプログラム通りに自動的に加工を行います。自動のため、高精度で量産が可能です。

 

卓上旋盤

卓上旋盤は、小型で軽量な旋削加工用の工作機械です。その名の通り、作業台や卓上に設置して使用することができ、主に小規模な工房やDIY愛好家、教育機関向けに設計されています。小さな部品を加工する際に適しています。

 

正面旋盤

正面旋盤は、大径の円盤状工作物や短い円筒形状の部品を加工するために設計された特殊な旋盤です。その名称は、工作物の正面(端面)を主に加工することに由来しています。この機械の最大の特徴は、大型で頑丈な円盤状のチャックを持つ点です。

このチャックは水平面に対して垂直に配置され、大径の工作物を強力に把持します。工具は、横方向から工作物に接近し、主に半径方向の切削を行います。正面旋盤は、主に重工業、造船業、発電設備製造などの分野で使用されています。大型フランジ、タービンディスク、大口径パイプの端面加工、大型ギアブランクなどの加工に特に適しています。

 

旋盤加工の加工種類

 

旋盤加工では、様々な加工方法があります。
代表的な旋盤加工は以下の5つです。
・外径加工
・テーパー加工
・穴あけ加工
・内径加工
・溝加工

それぞれの加工方法や特徴について解説します。

 

外径加工

外径加工とは、回転している材料の外側から工具を当て、円筒状の形状を削り出す加工方法です。旋盤加工の中でも、最も一般的でよく使われる加工方法です。切りくずが発生するため、こまめに切削工具を調整することが必要です。

 

テーパー加工

テーパーとは、細長いものが先端に向かうにつれ先細りになることを意味します。

テーパ加工もそれと同様に、先端が徐々に細くなる円錐状のものを作る際に用いられます。

材料を回転させながら削るので、徐々に当てる工具の角度を変えて削っていきます。

角度を変えながら削る以外の基礎は外径加工と同じです。

 

穴あけ加工

材料を回転させ、軸側からドリルを当てて穴をあけます。

工具を当てる位置が外径加工やテーパ加工とは異なりますが、仕組みは簡単です。

穴あけ加工する際には、削りくずが穴にたまりやすいためこまめに排出しながら加工します。

 

内径加工

内径加工とは、材料の内側に工具を当てて行う加工方法のことです。

一般的に穴あけ加工をした後の穴に工具を当てて、穴を広げるような形で加工します。

外径加工のように、加工部分が外側から見えないため若干難易度が上がる加工方法です。

また中を削るために長さのある工具を使用するので、たわみや振動が生じて精度が悪化してしまうこともあります。

 

溝加工

溝加工とは、文字通りに材料に溝を作る加工方法です。回転する材料に対して、工具を外周に垂直に当てて部分的に削り、溝を作る加工です。

材料に対して工具を垂直方向にしか動かせないのが特徴です。

 

 

まとめ

旋盤加工とは、加工対象となる材料を固定して回転させながら、切削工具を押し当て外周を削ったり、穴をあけたりする加工方法です。
旋盤加工は材料の大きさや製品のロット数によって使用する機械が異なり、切削工具を変えると様々な加工ができるという特徴があります。
京都機械商事では、簡単な旋盤加工から複数工程が必要な部品の製作実績もあります。

多品種少量生産にも対応させて頂きます。

部品調達にお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。

 
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