SS400はJIS規格における一般構造用圧延鋼材の中で最も使用頻度が高い鋼材です。特に建築や機械設備、船舶といった幅広い分野で利用されています。本記事では、SS400の規格、比重、用途、そしてその特徴について詳しく解説します。
1. SS400の記号の意味
- SS: Steel Structure(鋼構造)を意味する頭文字。
- 400: 引張強さが最低400N/mm²以上であることを示す数値。
1994年以前は「SS41」と呼ばれており、JIS改正によって現在の「SS400」に変更されました。
2. SS400の規格と性能
規格
- 引張強さ: 400~510N/mm²
- 炭素含有量: 約0.15~0.2%(低炭素鋼)
SS材の場合、規格の数字は下限の引張強さを表します。引張強さに幅があるため、素材のばらつきが存在します。
比重
- 鉄鋼一般と同様に比重は 7.85g/cm³ です。
3. SS400の用途
SS400は形状の多様性、単価の安さ、市場での流通量が豊富な点から、以下の用途で選ばれることが多いです。
- 建築資材: 構造材、梁や柱材
- 船舶: 船体構造材
- 機械設備: 治具やフレーム材料
- その他: 製造現場での治具材料や試作部品
4. SS400の特徴
(1) 溶接性
- 通常の用途では溶接に問題はありません。
- しかし、25mm以上の厚物や大きな応力がかかる構造の場合、溶接に適したSM材(溶接構造用圧延鋼材)の方が推奨されます。
(2) 強度
- 低炭素鋼であるため、熱処理による硬度向上ができません。
- 一般的に0.3%以上の炭素量が必要ですが、SS400は0.2%以下です。
(3) 錆びやすさ
- 炭素や他の合金成分の含有量が低いため腐食しやすい素材です。
- 防錆処理を施さない場合、特に屋外での使用には注意が必要です。
5. SS400の防錆処理方法
SS400の腐食対策として、以下の表面処理が一般的です。
- 黒染め: 見た目の黒色被膜が特徴。軽度の防錆効果。
- 亜鉛メッキ: 耐食性が向上し、コストパフォーマンスが良い。
- クロムメッキ: 耐久性と防錆性が高い。
- ニッケルメッキ: 高い防食効果と美しい外観。
6. まとめ
SS400のメリット
- コストパフォーマンス: 単価が安く、大量供給可能。
- 形状の多様性: 板材、棒材、角鋼など形状が豊富。
- 加工性: 熱による強度変化がないため扱いやすい。
デメリット
- 防錆対策が必要: 腐食対策が不可欠。
- 熱処理による強度向上不可: 高炭素鋼に比べ硬度向上が難しい。
SS400はそのコストパフォーマンスと扱いやすさから、構造用素材として非常に人気の高い鋼材です。特に建築分野や機械設備の治具などで多く使用されています。
弊社の対応
弊社ではJIS規格SS400に対応し、中国規格GB(Q 235) 相当品も提供しております。
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