2024.03.14 UP

表面処理とは?金属加工の基本表面処理の種類及びカラーアルマイト

金属加工において「表面処理」は非常に重要な工程です。
表面処理とは、金属の表面に特定の処理を施すことで、耐食性や耐摩耗性、美観などを向上させる技術の総称です。
製品の寿命を延ばしたり、デザイン性を高めたりと、用途や目的に応じてさまざまな手法が選ばれています。


表面処理の目的とは?

金属部品は使用環境によっては酸化や腐食、摩耗といった劣化が進行します。こうした劣化を防ぐため、表面処理を施すことで耐久性が大幅に向上します。
さらに、装飾性や塗装の密着性を高める目的でも利用されます。


表面処理の主な種類

めっき処理

めっきは、金属の表面に異なる金属を薄くコーティングする方法で、主に耐食性や防錆性の向上を目的としています。
使用される金属には、金・銀・銅・ニッケル・クロムなどがあり、美観向上や機能性追加にも活用されます。

アルマイト処理(陽極酸化処理)

アルミニウムに酸化皮膜を人工的に形成する処理で、硬度と耐食性を高める効果があります。
以下の種類に分類されます:

  • 白アルマイト:一般的なアルミ製品に多く採用される基本処理。

  • 硬質アルマイト:皮膜が厚く、耐摩耗性・耐食性に優れるため、航空機や自動車分野で使用。

  • カラーアルマイト:染料や顔料で着色し、デザイン性を重視する製品に最適

化成処理

化成処理は、化学反応によって金属表面に皮膜を形成する方法で、塗装の密着性や耐食性の向上に有効です。
代表的な処理方法には以下があります:

  • クロメート処理:クロム酸化皮膜による防錆処理

  • リン酸塩処理:塗装の下地に使用されることが多く、自動車部品などに利用

  • 黒染め処理(ブルーイング):耐食性のある黒色皮膜を形成

  • ジンケート処理:アルミにめっきを施す前処理として使用

溶射(ようしゃ)

金属やセラミックなどの溶射材を加熱して溶かし、金属表面に吹き付けることで耐摩耗性や耐熱性の皮膜を形成します。
エンジン部品や重機の補修にも活用されます。

塗装処理

塗装は表面処理の中でも比較的コストが抑えられ、防錆・防腐とともに装飾性の向上が可能です。
主な方法は以下の通りです:

  • 静電塗装:静電気の力で塗料を効率的に付着させる方法。大量生産向き。

  • 電着塗装:水溶性塗料と電気の力でムラなく塗装。自動車部品で採用多数。

  • 溶剤塗装:有機溶剤を使用。カラーバリエーションに富むが、安全対策が必須。

  • 焼付塗装:加熱により塗膜を硬化させる高耐久な塗装方法。

ブラスト処理

金属表面に研磨材(投射材)を高速で打ち付け、表面を整える処理方法です。

  • ショットブラスト:球状粒子を使った処理で、さび取りや表面硬化が可能。

  • ショットピーニング:材料強度向上を目的にした加工。航空・自動車部品に有効。

  • サンドブラスト:珪砂などを用い、微細な仕上げやデザイン加工に適しています。


カラーアルマイトの魅力と活用例

カラーアルマイトは、陽極酸化処理によって形成された酸化皮膜に染料や顔料を着色する技術です。
黒・赤・青・緑など多彩な色が可能で、耐食性と美観の両立が特徴です。
インテリア部品、カメラ部品、自転車部品など、デザイン性が重視される製品に広く使われています。

 


表面処理の選び方と注意点

表面処理は、材料の特性や使用環境、コスト、仕上がりの見た目などによって適切に選定する必要があります。
不適切な処理を選ぶと、寿命が短くなったり、塗装が剥がれたりするリスクもあるため、加工会社との相談が重要です。


まとめ:表面処理は金属加工において不可欠な技術

この記事では、金属加工で広く利用されている各種表面処理について紹介しました。
めっき、アルマイト、化成処理、塗装、ブラスト処理など、多彩な技術が存在し、それぞれが異なる機能性を持っています

カラーアルマイトなどの高度な処理技術も対応可能な京都機械商事では、表面処理の選定から加工、納品まで一貫してサポートいたします。

部品調達にお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください

 

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