【保存版】A2017(ジュラルミン)加工完全ガイド|アルミニウム合金の特徴・切削・曲げ・溶接・表面処理|京都機械商事

はじめに
アルミニウム合金の中でも高強度で知られる「A2017(ジュラルミン)」は、航空機・自動車・精密機械などの分野で幅広く採用される重要な金属材料です。
しかし、A2017材は強度が高い一方で、加工難易度も高いため、切削条件や工具選定、表面処理に関する正しい知識がなければ、寸法精度や表面品質に影響を及ぼすことがあります。
この記事では、京都機械商事のアルミ合金加工ノウハウをもとに、
- A2017材の基本特性
- 切削・曲げ・穴あけ・溶接などの加工方法
- 加工時の注意点やコスト最適化のコツ
を体系的に解説します。
A2017加工を検討中の設計者・調達担当者・エンジニア必見です。
目次
- A2017(ジュラルミン)とは?特徴と主な用途
- A2017材の加工性と他アルミ合金との比較
- A2017の代表的な加工方法
- 切削加工(旋盤・フライス加工)
- 穴あけ・タップ加工
- 曲げ・プレス加工
- 溶接・接合技術
- 表面処理(アルマイト・化成処理など)
- A2017加工時の注意点・課題
- 京都機械商事の強み:高精度・短納期・一貫対応
- まとめ・お問い合わせ
1. A2017(ジュラルミン)とは?特徴と主な用途
A2017(ジュラルミン)は、日本工業規格(JIS)に規定されたアルミニウム-銅系合金で、銅(Cu)やマグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)を添加し、高い強度と切削性を実現した素材です。
特性 | 値・特徴 |
---|---|
比重 | 約2.78g/cm³(鉄の約1/3の軽さ) |
引張強さ | 390~540MPa |
耐食性 | 中程度(防錆には表面処理が必要) |
熱処理 | T4・T6などで強度向上 |
加工性 | 切削性は良好、曲げは注意が必要 |
用途 | 航空機部品、自動車部品、精密機械部品、金型、建築金具など |
軽量でありながら高い剛性を持つため、航空宇宙分野、自動車の軽量化部品、産業機械の構造材などで多用されます。
2. A2017材の加工性:他アルミ合金との比較
A2017材は「切削性に優れる高強度アルミ材」として知られますが、銅含有量が高く、耐食性はA5052やA6061より低めです。そのため加工後の表面処理が必須です。
材料 | 強度 | 加工性 | 耐食性 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
A1050(純アルミ) | 低 | ◎ | ◎ | 装飾品、建材 |
A5052(耐食アルミ) | 中 | ◎ | ◎ | 車体、タンク |
A6061(構造用合金) | 中〜高 | ○ | ◎ | 航空部品、構造材 |
A2017(ジュラルミン) | 高 | ○〜◎ | △ | 航空、自動車、精密部品 |
3. A2017の代表的な加工方法
3-1. 切削加工(旋盤加工・フライス加工)
A2017材は切削性が高く、マシニングセンタやNC旋盤での高精度加工に適しています。
- 推奨切削速度:150〜300m/min
- 使用工具:超硬工具・コーティング工具推奨
- ポイント:
- 切削油で摩擦熱を抑制
- 工具摩耗と溶着を防止
- 高速切削で表面粗さ改善
3-2. 穴あけ・タップ加工
A2017はタップ加工も比較的容易ですが、銅成分による工具摩耗が早いため下穴径と工具寿命の管理が重要です。
3-3. 曲げ加工・プレス加工
強度が高いため、曲げ加工時に割れが発生する可能性があります。
- 曲げRを大きく設定
- 圧延方向を考慮して曲げる
- 必要に応じて軽い予熱で加工性を改善
3-4. 溶接・接合技術
A2017材は溶接がやや難しく、母材の強度低下に注意が必要です。
- TIG溶接・MIG溶接は可能
- 摩擦攪拌接合(FSW)やリベット接合も選択肢
- 溶接後の熱処理で強度回復を検討
3-5. 表面処理(アルマイト・化成処理)
A2017は銅含有量が高く腐食しやすいため、表面処理は必須です。
- アルマイト処理:耐食性・耐摩耗性アップ
- クロメート・化成処理:防錆対策
- 硬質アルマイトで機械部品の耐久性向上
4. A2017加工時の課題と注意点
- バリ・溶着:高速切削でバリが出やすいため仕上げ工程必須
- 熱変形:加工熱による寸法狂いを冷却管理で防止
- 腐食リスク:加工後は即時表面処理が望ましい
- 割れのリスク:曲げやプレス時は応力集中を避ける設計が必要
- コスト管理:工具摩耗が早いため、条件最適化がコスト削減の鍵
5. 京都機械商事の強み:高精度・短納期・一貫対応
京都機械商事は、A2017材を含むアルミ合金加工において設計段階からの素材選定支援〜量産まで対応可能です。
- 最新NC旋盤・マシニングで**±0.005mmの高精度加工
- 材料調達から切削・表面処理までワンストップ対応
- 中国本社及び海外協力工場ネットワークで短納期対応
- 三次元測定機・粗さ計で徹底品質管理
6. まとめ・お問い合わせ
A2017(ジュラルミン)は軽量・高強度を誇るアルミニウム合金ですが、銅含有量の高さゆえに耐食性や加工難度に注意が必要です。
- 切削加工:高速切削・適切工具で高精度実現
- 曲げ・溶接:割れ・強度低下に注意し工法選択
- 表面処理:アルマイトや化成処理で耐久性向上
- 量産コスト:加工条件最適化でコスト削減可能
京都機械商事は、A2017を含むアルミ合金・金属部品加工の豊富な実績を持ち、設計支援・試作・量産・組立までお客様の課題をワンストップで解決します。
A2017の加工でお困りの際は、ぜひお問い合わせフォームよりご相談ください。