2023.03.24 UP

【完全ガイド】金属加工の種類と特徴｜機械加工の基礎知識を徹底解説【京都機械商事】

金属加工とは、金属を材料として製品や部品を作るための加工技術の総称です。
旋盤加工・フライス加工・研削加工・放電加工など、金属加工には多くの種類があり、それぞれの特徴や得意分野が異なります。

この記事では、金属加工の基本原理から、各加工方法の特徴、用途、最新技術（NC加工・3Dプリンタ）までを総合的に解説します。
また、製造業や資材部門の担当者が失敗しない加工依頼のコツや、京都機械商事が得意とする高精度加工の強みもご紹介します。

1.金属加工とは？基本の分類と考え方

2.除去加工｜金属を削って形をつくる技術

3.成型加工｜金属を変形させて成形する技術　

4.付加加工｜表面処理や接合技術　

5.最新技術｜NC加工と3Dプリンタによる製造革命

6.加工方法の選び方｜用途別おすすめ一覧

7.金属加工の外注・調達で失敗しないポイント

8.京都機械商事の強み｜精度・納期・コストのバランスで選ばれる理由

9.まとめ：最適な金属加工で製品品質を最大化

1. 金属加工とは？基本の分類と考え方

金属加工とは、金属材料を目的の形状や機能に仕上げる一連の製造プロセスです。
「切る」「削る」「曲げる」「溶かす」「接合する」など、物理的・化学的な手法を駆使して製品を作ります。

🔸 金属加工の三大分類

加工分類	概要	主な方法
除去加工	金属を削って形を整える	旋盤加工・フライス加工・研削加工・放電加工
成型加工	金属を変形させて成形する	プレス加工・鍛造・鋳造
付加加工	表面を保護・強化したり別の素材を加える	溶接・メッキ・熱処理

この3分類を理解することで、「どの加工が最適か」を判断できるようになります。
特に近年は、NC旋盤やマシニングセンタによる高精度加工が主流となっており、デジタル制御と職人技術の融合が求められています。

2. 除去加工｜金属を削って形をつくる技術

除去加工とは、金属材料の不要部分を削り取って形を作る加工法です。
寸法精度が高く、機械部品や精密部品の製造に不可欠です。

🔹 旋盤加工（せんばんかこう）

材料を回転させ、切削工具を当てて削る方法です。
円筒形の部品や軸物の加工に最適です。

✅ 特徴：高い真円度・表面精度
✅ 用途：シャフト・ベアリング・パイプ・ロール部品
✅ メリット：同軸精度が高く、量産にも適する
⚠ 注意点：角形状の加工には不向き

🔹 フライス加工

回転する工具（エンドミル）を使って、平面・溝・段差などを削る加工法です。

✅ 特徴：立体的で複雑な形状の加工が可能
✅ 用途：金型・治具・機械フレーム・構造部品
✅ メリット：多面加工が可能で、3D形状にも対応
⚠ 注意点：加工時間が長くなる場合がある

🔹 研削加工

砥石を高速回転させて表面を削る超精密加工技術です。

✅ 特徴：0.001mm単位の高精度仕上げが可能
✅ 用途：精密金型・エンジン部品・機械軸受け
✅ メリット：高い寸法精度と滑らかな表面粗さ
⚠ 注意点：加工速度が遅く、コストが高い場合も

🔹 放電加工（ほうでんかこう）

電極と被加工物の間に電気を流し、金属を溶融・除去する加工です。
導電性のある材料なら、どんな硬い金属でも加工できます。

✅ 特徴：刃物では削れない硬材や複雑形状の加工が可能
✅ 用途：金型・精密金属部品・微細加工部品
✅ メリット：非接触加工のため、歪みや応力が少ない
⚠ 注意点：加工速度が遅く、表面に放電痕が残ることがある

3. 成型加工｜金属を変形させて成形する技術

金属を削らず、圧力や熱を加えて形を変える方法です。大量生産や高強度が必要な部品に適しています。

🔹 プレス加工

金型を使い、金属板に圧力を加えて成形する方法です。

✅ 特徴：短時間で大量生産が可能
✅ 用途：自動車ボディ・電子部品・筐体パネル
✅ メリット：安定した寸法と表面品質
⚠ 注意点：金型製作コストが高い

🔹 鍛造（たんぞう）

金属を叩いて変形させ、内部組織を緻密にする加工法です。

✅ 特徴：金属の強度・靭性が向上
✅ 用途：クランクシャフト・工具・航空部品
✅ メリット：高強度・高耐久
⚠ 注意点：形状の自由度が低く、後加工が必要な場合あり

🔹 鋳造（ちゅうぞう）

金属を溶かして型に流し込み、冷やして固める技術です。

✅ 特徴：自由な形状の大型部品が作れる
✅ 用途：エンジンブロック・バルブ・装飾部品
✅ メリット：コストを抑えて複雑形状が実現可能
⚠ 注意点：気泡や収縮欠陥が生じる可能性あり

4. 付加加工｜表面処理や接合技術

金属表面を保護・強化する、あるいは複数の部品を接合する工程です。

🔹 溶接（ようせつ）

熱を利用して金属同士を溶かして一体化させます。

✅ 用途：建築構造・フレーム・配管・造船
✅ メリット：強固な接合が可能
⚠ 注意点：歪みや熱影響が出ることがある

🔹 メッキ加工（めっきかこう）

金属表面に別の金属膜をコーティングする処理です。

✅ 用途：工具・電子部品・装飾品
✅ メリット：防錆性・耐摩耗性・外観の美観向上
⚠ 注意点：膜厚や密着性の管理が重要

🔹 熱処理

金属に熱を加えて組織を変化させ、強度・硬度・靭性を高める技術です。

✅ 種類：焼入れ・焼戻し・焼なまし
✅ 用途：ギア・刃物・軸受け部品
✅ メリット：機械的特性を最適化できる

5. 最新技術｜NC加工と3Dプリンタによる製造革命

🔹 NC加工（数値制御加工）

コンピュータで制御する工作機械によって、高精度な自動加工を行います。
旋盤・フライス・マシニングセンタなど、すべての工程をプログラムで最適化できます。

✅ 特徴：ミクロン単位の高精度加工が可能
✅ メリット：再現性が高く、複雑形状にも対応
✅ 京都機械商事の強み：NC旋盤＋マシニングセンタの複合加工体制により、短納期と高精度を両立

🔹 3Dプリンタ加工（積層造形）

材料を一層ずつ積み重ねて形を作る付加製造技術。
金属粉末をレーザーで焼結する方式など、試作や小ロット生産に最適です。

✅ 用途：試作部品・金型製作・医療器具
✅ メリット：金型不要で短納期製造が可能
✅ 将来性：デジタル設計との親和性が高く、次世代の製造技術として注目

6. 加工方法の選び方｜用途別おすすめ一覧

用途	適した加工方法	理由
高精度部品	研削加工・放電加工・NC旋盤	ミクロン単位の精度が要求されるため
大量生産	プレス加工・転造	サイクルタイムが短く、コスト削減に有利
高強度部品	鍛造・熱処理	構造強度を確保するため
試作品・少量生産	3Dプリンタ・マシニング加工	金型不要で柔軟に対応可能
美観重視	メッキ加工・研磨加工	光沢・防錆性を向上