ステンレス加工は本当に難しい?加工しやすいSUS材の選び方と発注ポイント|京都機械商事(中国工場×日本品質)
はじめに|なぜステンレス加工の記事が今、調達担当者から注目されているのか
ステンレス(SUS材)は、産業部品・食品機械・医療機器・半導体装置・理化学機器など、あらゆる分野で必須の素材です。
しかし、その優れた耐食性・強度と引き換えに、「切削が難しい」「摩耗しやすい」「熱がこもる」「バリが出る」といった問題を抱えており、調達担当者からの問い合わせでも 「ステンレスは加工先が少ない」「見積りが高くなる」 という声をよく耳にします。
京都機械商事では、中国大連の自社工場・協力工場による SUS304、SUS303、SUS316L、SUS430など幅広いステンレス加工 に対応し、日本品質 × 海外コスト(30〜40%削減) × 厳格検査 を強みとして、難削材の製作実績が多数あります。
本記事では、調達担当者が知っておきたい、
- ステンレス加工が難しい理由
- SUS材の種類ごとの加工性
- 切削・穴あけ・曲げ加工のポイント
- 見積もりが上がる要因
- 加工業者選定のチェックポイント
- 京都機械商事が提供できるメリット
など、業界歴20年以上の実務知識+加工現場の視点 をもとに、徹底解説します。
目次
- ステンレスとは?(種類・特徴・磁性)
- ステンレス加工が難しい理由
2-1. ステンレスの種類により特性が大きく違う
2-2. 加工硬化しやすく、応力で急激に硬くなる
2-3. 熱が逃げにくく、工具摩耗が激しい
2-4. 割れ・溶接焼け・電食リスク
2-5. 切りくずが溶着しやすく精度不良が起きやすい - 加工しやすいステンレス素材は?(用途別推奨)
- ステンレス加工の各工程ポイント
4-1. 切断加工のポイント
4-2. 切削加工(フライス、旋盤)のポイント
4-3. 穴あけ加工のポイント
4-4. 曲げ加工のポイント
4-5. 溶接加工のポイント - 調達担当者が知るべき見積もりの決まり方
- ステンレス加工における品質トラブルと防止策
- ステンレス部品を発注する加工業者の選び方
- 京都機械商事のステンレス加工が選ばれる理由
- まとめ|SUS加工の発注は、素材・加工方法・業者選定が重要
- お問い合わせ
1.ステンレスとは|なぜ錆びない?なぜ磁石に付かない?
ステンレス(Stainless Steel)は、鉄+クロム(10.5%以上) を主成分とする耐食性合金で、クロムが酸素と結びつき「不動態皮膜」を形成することで錆びにくくなります。
さらに、用途別にニッケル・モリブデンなどを添加することで、強度・耐熱性・溶接性などの特性が変わります。
ステンレスの主な分類(加工性比較付き)
| 系統 | 代表材質 | 特徴 | 加工性 | 磁性 |
|---|---|---|---|---|
| オーステナイト系 | SUS304 / SUS316 / SUS303 | 最も一般的。耐食性◎ | やや難加工 | 非磁性 |
| フェライト系 | SUS430 | 安価、磁性あり | 加工しやすい | 磁性あり |
| マルテンサイト系 | SUS410 / SUS420 | 刃物によく使用、高硬度 | 加工が非常に難しい | 磁性あり |
| 析出硬化系 | SUS630(17-4PH) | 高強度・高硬度 | 難削材 | 磁性あり |
ステンレスは、系統によって加工の難しさが大きく異なるため、
素材選定の時点で加工コストが決まる と言っても過言ではありません。
2.ステンレス加工が難しいとされる理由
2-1. ステンレスの種類により特性が異なる
SUS301、SUS304、SUS316L、SUS430…
ステンレスは種類が多く、特性が大きく違います。
例:
- SUS304は耐食性は高いが、切削加工は難しい
- SUS303は切削性が良く工具寿命が長い
- SUS316Lは耐食性最高レベルだが材料が高価
- SUS430は安価で加工しやすいが耐食性は劣る
調達担当者が 「SUS304でお願いします」 と指定するだけで、
実は加工難易度・価格が大きく変動します。
2-2. 応力がかかると急激に硬くなる(加工硬化)
ステンレスの大きな特徴が「加工硬化」。
切削・曲げ・プレス中に素材が硬化し、工具摩耗が一気に増えます。
特に、
- SUS304
- SUS301
は加工硬化が顕著で、深穴加工・溝加工で工具が折れやすい素材です。
2-3. 熱が逃げにくく、工具先端が焼ける
ステンレスは熱伝導率が低く、
刃先だけが異常に高温になり、工具チップが欠けやすい という特徴があります。
対策:
- 低速回転(切削速度を落とす)
- 切削油を大量にかける
- 切削条件を一定にする
- ステップ加工を避け、1回で抜く
2-4. 割れ・溶接焼けなど溶接時のリスク
ステンレスは溶接はできるものの、
- 割れ
- 溶接焼け
- 粒界腐食
- 電食
のリスクが大きく、溶接後の酸洗い・研磨工程が必要になります。
2-5. 切りくずの溶着が多く、精度不良が起きやすい
ステンレスは粘りが強く、切りくず(切粉)が工具にまとわりつきやすいため、
- 工具欠け
- 表面粗さ悪化
- 寸法不良
- バリの増加
が起きやすい厄介な素材です。
3.加工しやすいステンレス素材はどれ?(用途別)
切削加工に最も向いている → SUS303
SUS304に硫黄を添加して切削性を改善した材質。
- 工具寿命が長い
- 仕上げ面がきれい
- 深穴加工に強い
→ 調達担当者が知っておくべきこと
加工コストはSUS304より安くなる可能性が高い。
溶接性が良い → SUS304
加工硬化しやすく切削は難しいが、溶接性が最も良い素材。
食品機械・装置部品・タンク類で圧倒的に使用。
耐食性が最高レベル → SUS316 / SUS316L
塩害・薬品・海水環境などに強く、医療機器にも採用される素材。

安価で加工性が良い → SUS430
量産部品・家電・建材などに多用。
磁性あり。
4.ステンレス加工のポイント(工程別)
4-1. 切断加工のポイント
- ステンレス対応の砥石を選ぶ
- 工具熱を溜めない(低速+冷却)
- 切断後のバリ取りは必須
- 角部分が欠けやすいので面取りを推奨
4-2. 切削加工(旋盤・マシニング)のポイント
- 送りは一定、切削速度は低め
- ステップ加工はNG(加工硬化が進む)
- 切削油を多めに使用
- ドリルの食いつき角度を調整
特に深穴加工は、最も破損率が高い工程です。
4-3. ステンレスの穴あけ加工ポイント
- 回転数を低く、トルク重視
- 切削油は必須
- キリの逃げ角・先端角をステンレス用に調整
- バリ発生が多いため後処理を見込む
4-4. 曲げ加工のポイント
ステンレスはスプリングバックが大きく、狙い角度に収めるのが難しいため、
曲げ加工の経験値が非常に重要 です。
4-5. 溶接加工のポイント
- TIG溶接で美観良く仕上げる
- 溶接焼け対策は必須
- 酸洗い・パシベーションが必要
- 溶接後の歪み取り工程が重要
5.調達担当者が知るべき「見積もりの決まり方」
ステンレス加工の見積もりは、以下で決まります
1. 材料代(SUS316、SUS303は高い)
2. 加工工数(難削材ほど時間がかかる)
3. 工具消耗費(ステンレスはチップを大量に削る)
4. 図面形状の複雑さ
5. 表面処理(バフ・電解研磨・酸洗い)
6. 検査工数(三次元測定・検査図面作成)
京都機械商事では、
中国本社工場の生産体制により、国内比30〜40%のコスト削減が可能 です。
6.ステンレス加工で起きやすいトラブルと防止策
バリが多い
→ 刃物・条件最適化+面取り必須
寸法不良
→ ステンレスは熱で伸びやすいため、切削条件を一定にする
溶接焼け
→ 酸洗い・研磨が必要
歪み
→ 切削熱・溶接熱による影響
→ 京都機械商事では加工前に「歪み取り設計」を提案

7.加工業者の選び方(調達担当者向け)
ステンレスに強い実績があるか
SUS303・SUS304・SUS316Lの違いを説明できるか
三次元測定機での検査が可能か
工具寿命・加工条件を理解しているか
海外調達でも日本語対応・品質保証があるか
8.京都機械商事のステンレス加工が選ばれる理由
中国本社工場 × 日本営業所のハイブリッド体制
24時間以内の見積り回答
三次元測定機・検査図面付きで日本品質を保証
ビデオチェックで出荷前の状態を可視化
表面処理・熱処理まで一社完結
特にステンレス部品に強みを持っています。

9.まとめ|ステンレス加工は難しいが、正しい素材選定と業者選びで品質が決まる
ステンレスは加工硬化・熱伝導率・素材の粘りなどにより、難易度の高い金属です。
しかし、種類ごとの特性を理解し、加工方法・工具選定・冷却管理を徹底すれば、高品質な部品加工が可能です。
特に、
- 切削ならSUS303
- 溶接ならSUS304
- 耐食性重視ならSUS316L
といった選定を行うことで、品質とコストを最適化できます。
京都機械商事では、
「日本品質 × 海外コスト × 短納期」 を武器に、難削材ステンレスの加工を多数手がけています。
10.お問い合わせ
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- 加工難易度の高いSUS304深穴加工
- SUS316の耐食部品
- SUS303の量産切削
- バフ研磨・電解研磨・酸洗い
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