2023.11.30 UP

ステンレス加工は本当に難しい?加工しやすいSUS材の選び方と発注ポイント|京都機械商事(中国工場×日本品質)

はじめに|なぜステンレス加工の記事が今、調達担当者から注目されているのか

ステンレス(SUS材)は、産業部品・食品機械・医療機器・半導体装置・理化学機器など、あらゆる分野で必須の素材です。
しかし、その優れた耐食性・強度と引き換えに、「切削が難しい」「摩耗しやすい」「熱がこもる」「バリが出る」といった問題を抱えており、調達担当者からの問い合わせでも 「ステンレスは加工先が少ない」「見積りが高くなる」 という声をよく耳にします。

京都機械商事では、中国大連の自社工場・協力工場による SUS304、SUS303、SUS316L、SUS430など幅広いステンレス加工 に対応し、日本品質 × 海外コスト(30〜40%削減) × 厳格検査 を強みとして、難削材の製作実績が多数あります。

本記事では、調達担当者が知っておきたい、

  • ステンレス加工が難しい理由
  • SUS材の種類ごとの加工性
  • 切削・穴あけ・曲げ加工のポイント
  • 見積もりが上がる要因
  • 加工業者選定のチェックポイント
  • 京都機械商事が提供できるメリット

など、業界歴20年以上の実務知識+加工現場の視点 をもとに、徹底解説します。


目次

  1. ステンレスとは?(種類・特徴・磁性)
  2. ステンレス加工が難しい理由
     2-1. ステンレスの種類により特性が大きく違う
     2-2. 加工硬化しやすく、応力で急激に硬くなる
     2-3. 熱が逃げにくく、工具摩耗が激しい
     2-4. 割れ・溶接焼け・電食リスク
     2-5. 切りくずが溶着しやすく精度不良が起きやすい
  3. 加工しやすいステンレス素材は?(用途別推奨)
  4. ステンレス加工の各工程ポイント
     4-1. 切断加工のポイント
     4-2. 切削加工(フライス、旋盤)のポイント
     4-3. 穴あけ加工のポイント
     4-4. 曲げ加工のポイント
     4-5. 溶接加工のポイント
  5. 調達担当者が知るべき見積もりの決まり方
  6. ステンレス加工における品質トラブルと防止策
  7. ステンレス部品を発注する加工業者の選び方
  8. 京都機械商事のステンレス加工が選ばれる理由
  9. まとめ|SUS加工の発注は、素材・加工方法・業者選定が重要
  10. お問い合わせ

1.ステンレスとは|なぜ錆びない?なぜ磁石に付かない?

ステンレス(Stainless Steel)は、鉄+クロム(10.5%以上) を主成分とする耐食性合金で、クロムが酸素と結びつき「不動態皮膜」を形成することで錆びにくくなります。

さらに、用途別にニッケル・モリブデンなどを添加することで、強度・耐熱性・溶接性などの特性が変わります。


ステンレスの主な分類(加工性比較付き)

系統代表材質特徴加工性磁性
オーステナイト系SUS304 / SUS316 / SUS303最も一般的。耐食性◎やや難加工非磁性
フェライト系SUS430安価、磁性あり加工しやすい磁性あり
マルテンサイト系SUS410 / SUS420刃物によく使用、高硬度加工が非常に難しい磁性あり
析出硬化系SUS630(17-4PH)高強度・高硬度難削材磁性あり

ステンレスは、系統によって加工の難しさが大きく異なるため、
素材選定の時点で加工コストが決まる と言っても過言ではありません。


2.ステンレス加工が難しいとされる理由

2-1. ステンレスの種類により特性が異なる

SUS301、SUS304、SUS316L、SUS430…
ステンレスは種類が多く、特性が大きく違います。

例:

  • SUS304は耐食性は高いが、切削加工は難しい
  • SUS303は切削性が良く工具寿命が長い
  • SUS316Lは耐食性最高レベルだが材料が高価
  • SUS430は安価で加工しやすいが耐食性は劣る

調達担当者が 「SUS304でお願いします」 と指定するだけで、
実は加工難易度・価格が大きく変動します。


2-2. 応力がかかると急激に硬くなる(加工硬化)

ステンレスの大きな特徴が「加工硬化」。
切削・曲げ・プレス中に素材が硬化し、工具摩耗が一気に増えます。

特に、

  • SUS304
  • SUS301

は加工硬化が顕著で、深穴加工・溝加工で工具が折れやすい素材です。


2-3. 熱が逃げにくく、工具先端が焼ける

ステンレスは熱伝導率が低く、
刃先だけが異常に高温になり、工具チップが欠けやすい という特徴があります。

対策:

  • 低速回転(切削速度を落とす)
  • 切削油を大量にかける
  • 切削条件を一定にする
  • ステップ加工を避け、1回で抜く

2-4. 割れ・溶接焼けなど溶接時のリスク

ステンレスは溶接はできるものの、

  • 割れ
  • 溶接焼け
  • 粒界腐食
  • 電食

のリスクが大きく、溶接後の酸洗い・研磨工程が必要になります。


2-5. 切りくずの溶着が多く、精度不良が起きやすい

ステンレスは粘りが強く、切りくず(切粉)が工具にまとわりつきやすいため、

  • 工具欠け
  • 表面粗さ悪化
  • 寸法不良
  • バリの増加

が起きやすい厄介な素材です。


3.加工しやすいステンレス素材はどれ?(用途別)

切削加工に最も向いている → SUS303

SUS304に硫黄を添加して切削性を改善した材質。

  • 工具寿命が長い
  • 仕上げ面がきれい
  • 深穴加工に強い

→ 調達担当者が知っておくべきこと

加工コストはSUS304より安くなる可能性が高い


溶接性が良い → SUS304

加工硬化しやすく切削は難しいが、溶接性が最も良い素材。
食品機械・装置部品・タンク類で圧倒的に使用。


耐食性が最高レベル → SUS316 / SUS316L

塩害・薬品・海水環境などに強く、医療機器にも採用される素材。


安価で加工性が良い → SUS430

量産部品・家電・建材などに多用。
磁性あり。


4.ステンレス加工のポイント(工程別)

4-1. 切断加工のポイント

  • ステンレス対応の砥石を選ぶ
  • 工具熱を溜めない(低速+冷却)
  • 切断後のバリ取りは必須
  • 角部分が欠けやすいので面取りを推奨

4-2. 切削加工(旋盤・マシニング)のポイント

  • 送りは一定、切削速度は低め
  • ステップ加工はNG(加工硬化が進む)
  • 切削油を多めに使用
  • ドリルの食いつき角度を調整

特に深穴加工は、最も破損率が高い工程です。


4-3. ステンレスの穴あけ加工ポイント

  • 回転数を低く、トルク重視
  • 切削油は必須
  • キリの逃げ角・先端角をステンレス用に調整
  • バリ発生が多いため後処理を見込む

4-4. 曲げ加工のポイント

ステンレスはスプリングバックが大きく、狙い角度に収めるのが難しいため、
曲げ加工の経験値が非常に重要 です。


4-5. 溶接加工のポイント

  • TIG溶接で美観良く仕上げる
  • 溶接焼け対策は必須
  • 酸洗い・パシベーションが必要
  • 溶接後の歪み取り工程が重要

5.調達担当者が知るべき「見積もりの決まり方」

ステンレス加工の見積もりは、以下で決まります

1. 材料代(SUS316、SUS303は高い)

2. 加工工数(難削材ほど時間がかかる)

3. 工具消耗費(ステンレスはチップを大量に削る)

4. 図面形状の複雑さ

5. 表面処理(バフ・電解研磨・酸洗い)

6. 検査工数(三次元測定・検査図面作成)

京都機械商事では、
中国本社工場の生産体制により、国内比30〜40%のコスト削減が可能 です。


6.ステンレス加工で起きやすいトラブルと防止策

バリが多い

→ 刃物・条件最適化+面取り必須

寸法不良

→ ステンレスは熱で伸びやすいため、切削条件を一定にする

溶接焼け

→ 酸洗い・研磨が必要

歪み

→ 切削熱・溶接熱による影響
→ 京都機械商事では加工前に「歪み取り設計」を提案


7.加工業者の選び方(調達担当者向け)

ステンレスに強い実績があるか

SUS303・SUS304・SUS316Lの違いを説明できるか

三次元測定機での検査が可能か

工具寿命・加工条件を理解しているか

海外調達でも日本語対応・品質保証があるか


8.京都機械商事のステンレス加工が選ばれる理由

中国本社工場 × 日本営業所のハイブリッド体制

24時間以内の見積り回答

三次元測定機・検査図面付きで日本品質を保証

ビデオチェックで出荷前の状態を可視化

表面処理・熱処理まで一社完結

特にステンレス部品に強みを持っています。


9.まとめ|ステンレス加工は難しいが、正しい素材選定と業者選びで品質が決まる

ステンレスは加工硬化・熱伝導率・素材の粘りなどにより、難易度の高い金属です。
しかし、種類ごとの特性を理解し、加工方法・工具選定・冷却管理を徹底すれば、高品質な部品加工が可能です。

特に、

  • 切削ならSUS303
  • 溶接ならSUS304
  • 耐食性重視ならSUS316L
    といった選定を行うことで、品質とコストを最適化できます。

京都機械商事では、
「日本品質 × 海外コスト × 短納期」 を武器に、難削材ステンレスの加工を多数手がけています。


10.お問い合わせ

ステンレス加工・SUS部品調達は京都機械商事にお任せください!

  • 加工難易度の高いSUS304深穴加工
  • SUS316の耐食部品
  • SUS303の量産切削
  • バフ研磨・電解研磨・酸洗い
  • アッセンブリ・溶接・組立

すべて一社完結で対応します。

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