板金加工とは?|種類や使用機械、安全対策まで完全解説【京都機械商事】

金属製品や装置部品の製造に欠かせない「板金加工」は、曲げ・切断・溶接など多彩な工程を通じて、精密かつ軽量な部品を生み出す加工技術です。
本記事では、板金加工の基礎知識から種類、使用機械、工程、メリット・デメリット、安全対策までを、京都機械商事が分かりやすくご紹介します。
板金加工とは?
板金加工とは、板状の金属材料に対して圧力を加え、折り曲げや穴あけ、切断などの加工を施し、図面通りの形状へと成形する加工方法です。金型を必要とせず、少量多品種の製造に適していることから、多くの業界で活用されています。
また、ゴミ箱やロッカーのように中が空洞の筐体(ケース)形状の製品加工にも適しているのが特徴です。

板金加工の主な用途と製品例
板金加工は、以下のような日常製品から産業機械まで幅広い用途で活用されています。
● 板金加工を用いた製品例
- ATM、エレベーターの外装パネル
- PCの筐体やフレーム
- 医療機器(レントゲン装置など)
- キッチンの流し台、スチール家具
- 看板、案内掲示板
- 駅の改札機や信号機
- 冷凍ショーケース
- 制御盤や分電盤などの装置部品
このように、さまざまなサイズ・形状の金属部品が板金加工によって製造されています。

板金加工とプレス加工の違い
板金加工と混同されがちな加工方法に「プレス加工」があります。両者の違いは下記の通りです。
項目 | 板金加工 | プレス加工 |
---|---|---|
金型 | 不要(汎用金型で対応可能) | 必要(専用金型の製作が必要) |
適した生産量 | 少量・多品種 | 大量生産 |
加工方法 | 曲げ・切断・穴あけなどを工程ごとに分ける | 一度のプレスで複数の加工をまとめて実施 |
初期費用 | 安価(金型費が不要) | 高額(金型費用が発生) |
柔軟性 | 高い(仕様変更にも対応しやすい) | 低い(製品変更時は金型の作り直しが必要) |
つまり、板金加工は柔軟性が高く、小ロット対応に優れるのが大きな強みです。
板金加工の種類
板金加工には、大きく分けて以下の2種類があります。
① 手板金
- 職人がハンマーや金切りバサミなどの工具を使用し、一点ずつ手作業で加工
- 複雑な形状や曲面の加工に対応可能
- 少量生産や試作部品に適している
② 機械板金
- 汎用金型と各種板金機械を使用して加工
- 精度と作業効率が高く、少量~中量生産向き
- 複数の加工工程(切断・穴あけ・曲げなど)に対応
いずれも、図面に基づいた高精度な加工を行うためには、技術力と工程設計が重要です。
板金加工で使用される主な機械
板金加工には、目的や加工内容に応じて様々な機械が使用されます。
機械名 | 用途・特徴 |
---|---|
パンチングプレス | 穴あけや切り抜き加工。タレットパンチプレスにより多様な形状に対応 |
ベンディングマシン(プレスブレーキ) | 部材を上下の金型で挟み、圧力を加えて曲げ加工を実施 |
レーザ切断機 | 高出力のレーザ光で高速・高精度な切断が可能。複雑形状にも対応 |
スポット溶接機 | 一部を通電させることで部材を溶かし、接合する |
アーク溶接機 | 電気アークを利用して溶接する方法。厚板に向いている |
ディスクグラインダー | 溶接部のバリや焦げ取り、面取り処理に使用 |
それぞれの機械の選定や組み合わせは、製品の形状・用途・数量に応じて適切に行われます。

板金加工の工程と流れ
板金加工は、次のような段階的な工程によって行われます。
- 展開図・加工プログラム作成
CAD/CAMソフトで部品展開を行い、効率の良い材料取りを設計 - 抜き・切断加工
レーザ切断機やパンチングプレスで板材の外形や穴あけを行う - バリ取り
切断面のトゲ(バリ)をグラインダーで除去し、手触りや仕上がりを向上 - 曲げ加工
ベンディングマシンを用いて製品形状に合わせて曲げを行う - 溶接加工(必要に応じて)
部品の接合や補強を目的にアーク溶接・スポット溶接を行う - 仕上げ加工
表面の焦げ・焼け・溶接痕を除去して見た目と精度を整える - 組立(ネジ・リベット等)
複数のパーツを組み合わせて完成形に仕上げる
板金加工のメリット・デメリット
● メリット
- 汎用機械で柔軟に対応可能
- 金型費が不要なのでコストが安い
- 筐体など空洞構造の製品に最適
- 短納期対応がしやすい
- 軽量製品の製造に向いている
● デメリット
- 手作業が多く、作業者の技量に左右される
- 精密部品には不向きな場合がある
- 大量生産には不向き
- 高精度な寸法公差管理は難しい
板金加工は、多品種少量・中空形状・コスト重視の部品に適した手法です。
板金加工における安全対策
板金加工では、高圧力を扱う機械や溶接作業など危険を伴う工程も多く、十分な安全対策が求められます。
● 主な安全対策
- 機械周辺に安全柵や囲いを設置
- 作業員の手袋・保護メガネ・防護服の着用
- レーザ加工時は遮光カーテンや専用スクリーンを使用
- 非常停止装置の設置と点検
- 定期的な安全教育・機械メンテナンスの実施
京都機械商事では、全工程において安全管理と品質確保を徹底し、お客様に安心してご依頼いただける加工体制を構築しています。
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