2024.05.17 UP

自動盤(スイス式自動旋盤)とNC旋盤の違いを徹底比較|加工方式・コスト・選び方までわかる完全ガイド【京都機械商事】

第1章:自動盤とNC旋盤の基本的な違いとは?

自動盤とNC旋盤はいずれも金属部品の切削加工に用いられる重要な工作機械ですが、その構造・運用方法・生産性・得意な加工範囲には明確な違いがあります。

項目自動盤NC旋盤
材料供給バー材を自動で連続供給毎回ワークを手動でチャック
加工方式無人運転による連続生産人手による段取り・プログラム設定が必要
生産性非常に高い(連続稼働可能)中〜低(段取り時間が発生)
得意な部品小径・小型の大量生産品中型~大型の多品種小ロット

第2章:自動盤とは?その仕組みと特徴

▶ 自動盤(バー材自動供給旋盤)とは

自動盤は、長尺のバー材(棒状素材)をマシンにセットし、自動で供給しながら同一形状の部品を連続的に切削します。
特に「スイス式自動盤(走心機)」は、主軸が前後に動く独自構造により、高精度・複雑形状の加工を得意としています。

▶ 特徴まとめ

  • ✅ 長時間の無人運転が可能
  • ✅ 小型部品の高精度な連続加工に最適
  • ✅ 複数の工具を使った複合加工にも対応

第3章:NC旋盤とは?その役割と特性

NC旋盤(Numerical Control Lathe)は、コンピュータ制御により工具の移動をプログラムで管理しながら、回転するワークに対して切削工具を当てて加工する機械です。

▶ 特徴まとめ

  • ✅ 汎用性が高く多品種少量生産に対応
  • ✅ 大型ワークや複雑形状部品も加工可能
  • ✅ 工程ごとの柔軟なプログラミングが可能

第4章:自動盤のメリットとデメリット

▶ メリット

  • ✅ 24時間の無人連続運転が可能で生産性が高い
  • ✅ 省スペース設計で工場内でも効率的に配置可能
  • ✅ 複雑形状や高精度な加工に対応できる

▶ デメリット

  • ❌ 段取り替えに時間と手間がかかるため、多品種には不向き
  • ❌ 加工できるのは主に小径部品に限定される

第5章:NC旋盤のメリットとデメリット

▶ メリット

  • ✅ 柔軟な加工条件の設定が可能
  • ✅ 大型部品や異形部品にも対応できる
  • ✅ 試作や少量生産にも向いている

▶ デメリット

  • ❌ 段取りやチャッキング作業に人手が必要
  • ❌ 生産性は自動盤に比べて劣る

第6章:用途に応じた選定ポイント|どちらを選ぶべきか?

部品形状・生産数量・求める精度などによって、自動盤とNC旋盤の使い分けが重要です。

加工シーン推奨機種選定理由
小径の部品を大量に加工自動盤高速連続加工・無人運転に最適
中型部品や複雑形状NC旋盤高い汎用性と加工自由度
多品種少量生産NC旋盤工具・プログラム切り替えが柔軟
工場スペースの有効活用自動盤コンパクトで複数台設置が可能

第7章:京都機械商事の自動盤加工が選ばれる理由

✅ 圧倒的な量産体制

月産3,000個から100万個規模まで、100台以上の自動盤設備を稼働させ、高効率な量産体制を構築しています。

✅ 高精度の切削加工技術

恒温室で管理された加工環境により、寸法公差・面粗度・真円度など、あらゆる要求に対応可能な精度を実現しています。

✅ コスト最適化の提案力

VA・VE提案により、材料選定から加工方法の最適化までをトータルにご提案。設計段階からの相談も可能です。


第8章:京都機械商事の加工対応力と品質管理体制

▶ 対応可能な材質と加工範囲

京都機械商事では、鉄・SUS(ステンレス)・アルミ・真鍮など多様な材質に対応しており、丸物・中空部品・薄肉部品まで幅広く加工可能です。

▶ 出荷前のビデオチェックで安心とコストを両立

当社では中国本社と連携し、出荷前に全数ビデオチェックを実施。
これにより、お客様の検査工程の負担軽減とトレーサビリティ確保を両立しています。

  • ✅ 品質面の安心:恒温検査室による厳格な管理
  • ✅ コスト削減:中国現地での品質確認により再検査や返品リスクを最小化

▶ 小ロット〜大量生産までフレキシブルに対応

  • 小ロット:NC旋盤にて対応(初期費用抑制に有利)
  • 中〜大ロット:自動盤による連続加工で単価を抑制

第9章:よくある質問(FAQ形式)

Q1. 小ロットでも自動盤加工は可能ですか?
A. 可能ですが、段取り費用が単価に影響するため、月産10,000個以上の量産で特にコストメリットを発揮します。
少量生産にはNC旋盤の方が適しているケースもあります。


Q2. 加工材質に制限はありますか?
A. 一般的な鉄・ステンレス(SUS)・アルミ・真鍮はもちろん、難削材や高硬度材への対応実績も豊富です。
加工目的に応じて最適な材質をご提案することも可能です。


Q3. 加工後の検査体制はどのようになっていますか?
A. 京都機械商事では、恒温検査室にて三次元測定機・画像測定器を用いた精密な寸法測定を実施しています。
さらに、ピンゲージ・栓ゲージなどの各種測定工具を完備し、形状や寸法の厳密な確認を行っています。

加えて、出荷前には全数ビデオ検査を実施し、中国本社と連携して品質確認を徹底。
お客様の検査工程を軽減しつつ、トレーサビリティの確保と不具合リスクの最小化を両立しています。
海外拠点からのリモート検査対応も可能です。


第10章:まとめ|用途とコストで最適な旋盤を選ぼう

旋盤種類おすすめ用途特徴
自動盤小径部品・大量生産無人連続運転・高精度・省スペース
NC旋盤中型〜大型部品・多品種少量生産高汎用性・自由な加工条件

京都機械商事では、お客様の調達要件・図面・ロット数量・コスト目標に応じて、最適な加工方法を提案いたします。
国内外の工場ネットワークを活かし、コスト競争力と品質保証の両立を実現しています。

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