SKD11とSKD61の違いを徹底解説!用途に応じた最適な選び方とは?
工具鋼の中でも、SKD11とSKD61は特に使用頻度が高い鋼種です。それぞれの特性や用途を正しく理解し、適切な選択をすることが加工効率や製品品質の向上につながります。本記事では、両者の特性や違いを詳しく解説し、最適な用途について説明します。
1. SKD11とSKD61の基本特性
1-1. SKD11(冷間工具鋼)
SKD11は、冷間作業用の合金工具鋼であり、主にプレス金型や刃物に使用されます。
主な特徴:
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高い硬度(HRC 58~62):摩耗しにくく長寿命
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優れた耐摩耗性:摩擦による摩耗を抑え、長期間使用可能
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高い耐食性:腐食しにくいため長持ち
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加工性がやや低い:高硬度のため、切削や研磨が難しい
主な用途:
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プレス金型(打ち抜き・曲げ加工用)
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工業用ナイフ・カッター
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プラスチック成形用金型
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シャー刃・パンチ
1-2. SKD61(熱間工具鋼)
SKD61は、熱間作業用の合金工具鋼であり、高温環境での加工に適しています。
主な特徴:
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高い耐熱性:高温でも強度を維持
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優れた熱衝撃性:急熱・急冷に強く、ヒートチェック(熱疲労割れ)に強い
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耐摩耗性はSKD11より低め
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熱処理による硬度調整が可能
主な用途:
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ダイカスト金型(アルミ・マグネシウム合金の鋳造)
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射出成形金型(プラスチック・ゴム成形)
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熱間鍛造金型
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ホットパンチ・ホットワークツール
2. SKD11とSKD61の主な違い
特性 | SKD11(冷間工具鋼) | SKD61(熱間工具鋼) |
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硬度 | 非常に高い(HRC 58~62) | 高温環境では低め(HRC 50~55) |
耐摩耗性 | 高い | やや低い |
耐熱性 | 低い | 高い |
耐衝撃性 | 低め | 高い(熱衝撃に強い) |
主な用途 | プレス金型・刃物 | ダイカスト金型・熱間鍛造金型 |
3. SKD11とSKD61の選び方:用途別の最適な選択
3-1. 金型用の鋼材選び
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常温で使用する金型なら「SKD11」
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プレス加工、抜き型、曲げ型など冷間加工向け。
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高い硬度と耐摩耗性を求める場合に最適。
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高温環境で使用する金型なら「SKD61」
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ダイカスト金型や熱間鍛造金型など、高温環境での耐久性を求める場合に適する。
3-2. 工具・刃物の鋼材選び
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シャー刃・パンチ・工業用ナイフには「SKD11」
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硬度と耐摩耗性が高いため、切れ味を長く維持できる。
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高温作業用の工具には「SKD61」
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熱間鍛造用のパンチや熱処理を繰り返す工具には、耐熱性の高いSKD61が適している。
3-3. 耐久性・寿命を重視する場合
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長寿命を求めるなら「SKD11」
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高い硬度と耐摩耗性により、摩耗しにくく長く使える。
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熱による変形・劣化を防ぎたいなら「SKD61」
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高温での強度維持が可能なため、熱変形のリスクが低い。
4. SKD11とSKD61の加工性の違い
加工方法 | SKD11 | SKD61 |
切削加工 | 難しい(高硬度のため) | やや難しい(熱処理後は硬度が上昇) |
研磨 | 難しい | 可能 |
溶接 | 可能だが注意が必要 | 可能だが事前処理が必要 |
熱処理 | 焼入れが必須 | 焼戻し・調質が可能 |
5. まとめ:SKD11とSKD61の使い分けポイント
✅ 冷間作業なら「SKD11」(プレス金型、刃物、パンチなど)
✅ 高温作業なら「SKD61」(ダイカスト金型、熱間鍛造、射出成形など)
✅ 耐摩耗性を重視するなら「SKD11」
✅ 耐熱性を重視するなら「SKD61」
適切な鋼材を選ぶことで、工具や金型の寿命を延ばし、加工効率の向上とコスト削減につながります。用途に応じた最適な鋼種を選びましょう!
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